2009年5月アーカイブ

糖尿病の治療_妊娠・出産

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糖尿病は慢性の病気ですが、安静と療養が必要な病気ではありません。
血糖がきちんとコントロールされ、合併症に注意すれば、結婚生活はもちろん、出産も大丈夫です。
結婚相手には糖尿病であることを話し、よきパートナーとして糖尿病の正しい理解と知識を持ってもらうようにしましょう。
健やかなよい出産を迎えるためには、妊娠前から出産後まで、血糖値を上手にキープすることが第一条件です。
もし、コントロールが悪く、合併症を放置したまま妊娠すると、「糖尿病性網膜症」が進み、「妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)」などのトラブルが起こる可能性があります。
また、赤ちゃんには奇形の影響や、難産の心配もあります。
ですから、妊娠前に合併症などを主治医のもとでチェックし、血糖値を正常な人と変わらない状態まで治療してから「計画妊娠」を行うと安心かもしれません。
注意するトラブルとしては、次のようなものがあります。
「妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)」は、妊娠によって高血圧や尿タンパクなどが現れた状態です。
子宮内胎児死亡の原因にもなる「胎盤の早期剥離」が起きやすくなります。
今までは「妊娠中毒症」といいましたが、原因は妊娠よる高血圧であることが明かになり、最近この呼び方になりました。
予防法は、低塩分・低カロリー・高タンパクな食事を心がけることで、特に塩分は1日10g以下におさえます。
「羊水過多症」は、妊娠後半から臨月にかけて羊水は徐々に減りますが、羊水が異常に多いままの状態をいいます。
母体の血糖が高いと起きやすく、羊水過多症と診断されたら早産予防のため、安静入院することになります。
「膀胱炎・腟炎・腎盂炎などの感染症」は、妊娠するとかかりやすいのですが、糖尿病の妊婦さんは発症率が高い傾向にあります。
腎盂炎は、腎機能を悪化させますので、特に注意してください。
糖尿病だからといって、合併症もなく、妊娠中血糖を良好にコントロールしていれば、自然分娩も十分可能です。
とはいっても、やはりリスクのある出産となりますので、「糖尿病の専門医」「産後の対応が適切にできる新生児科医」「スタッフ」「設備」が充実した病院で出産してください。
そして、安産のために一番大切なことは、日常の血糖コントロールですから、自己管理を十分に行って、健やかな出産にトライしてください。

糖尿病の治療_ストレス

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日本は今、社会構造の急な変化が続いています。
昨日と今日の劇的な変化も、日常茶飯事で、それは人々にとって、非常に強い精神的ストレスとなります。
それは誰しも同じなのですが、こと糖尿病の人はストレスによって、いろいろな影響があるので要注意です。
例えば、「ストレスで血糖値が高くなる」「ストレス解消のための過食で、血糖コントロールが乱れる」「ストレスが原因でうつになる」などです。
また、「QOL障害によるストレス」というのもあります。
(QOL:quality of life=クオリティー・オブ・ライフ。生活の質、生活の満足度、幸福度。)
糖尿病と診断されたとき、すぐに受け入れられる人は少なく、ほとんどの人が、落ち込んだり怒ったり否定したりする方が多いものです。
しかし、時間の経過とともに冷静になり、やがて自分が糖尿病であることを認め、治療に取り組むようになります。
「食べたいのに食べられない」「定期的な通院」「薬物療法をしている場合の低血糖」「合併症がある場合の症状」などがQOL障害です。
それを克服するには、怒りや否認などを経た後にあきらめて、あきらめきった上で「では、どうすればよいか」と考え直すことが大切です。
それが「糖尿病を受容する」ということです。
また、「うつによる糖尿病」というのもあります。
うつの状態では、空腹時血糖値が正常な人でも食後血糖値が高くなりやすいことや、血糖変動が正常でも血中インスリン濃度が高いことがわかりました。
これらのことから、うつによって血糖値が上がる原因は、インスリン抵抗性にあることがわかりました。
うつから糖尿病になった人の多くが、血中インスリン濃度が高い「高インスリン血症」の状態です。
このようなケースでは、インスリンの量は十分あるのですから、うつの治療を進めることが先決で、うつが治ると血糖値も正常範囲に戻ります。

糖尿病の治療_健康維持

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厚生労働省が発表した「中高年への調査」では、健康維持に取り組んでいる人は、体の状態が「良くなっている」という回答が多く、糖尿病の人でも「心がけていること」があれば、病状が「良い」と感じる人が増えているということです。
この調査は毎年1回行われており、病気や生活習慣改善への取組みによる健康状態の変化を、分かりやすく示しています。
健康維持のために「心がけていること」があると答えた人の方が、「特にない」という人よりも、状態が良くなる傾向がみられました。
「心がけていること」としては、男性で多いのは「適度な運動」と「食事の量に注意する」で、女性では「食事のバランス」「食事の量に注意する」の割合が多かったです。
高血圧や糖尿病などの慢性疾患のある人でも、「心がけていること」が多ければ、自分の体の状態に対する自己評価が高くなります。
病気の治療開始の時期からの病状の変化をみると、「食事や運動」「体重」「休養」「ストレス」など、心がけていることがある人では、病状の変化が「良くなっている」と答える割合が増えます。
一方で、心がけていることが「特にない」という人はどの病気でも、病状は「変わらない」が増え、「良くなっている」は減っています。
糖尿病の治療では、食事と運動を中心とした生活習慣の改善が基本となります。
「食事は腹七~八分目」「運動を習慣にする」「休養や睡眠を十分にとる」「飲酒は要注意・喫煙は禁止」などが基本です。
これらは糖尿病の人だけでなく、全ての人に勧められるライフスタイルです。
このように「心がけている」人には、必ず、「健康」または「症状の改善」という恩恵がもたらされるのです。
病気や生活習慣、ストレスなどに負けずに、「心がけ」を続けて、楽しく素敵な人生を歩みましょう。

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